2015年09月14日

無感情に嵐が去るの


女将は、お松が年季の最中に身投げでもしたら、残りの年数を兄弟に働いて貰うと言っているのだ。弥平は、何かしら不吉なものを感じた。このまま、お松を連れて帰りたい衝動紐崔萊產品に駆られたが、仕方がなく承諾した。

   「お父つぁん、さよなら」
 お
 お松は、明るくなった蔵を見回していた。年季が明けても、もう嫁にはいけないと、蔵の梁に自分の帯を掛けて、首を括ろうと思ったのだ。そのとき、故郷の弦太のあどけない顔が浮かんだ。
   「お姉ちゃん、行くな」
 昼になっても、蔵の扉は開かなかった。
   「何これしき、自分はこんなことで挫けるものか」
 弦太を、こんなところに連れてこられてたまるものか。弦太を護るためなら、何だってできる。そう考えると、もりもりと勇気が湧いてくる。その代り、お腹が空いてきた。

 午後になって、ようやく番頭が入って来た。昨夜皮膚敏感のことなど忘れてしまったかのように平然としている。
   「女将さんが許してくれた、早う出てきて謝ってきなさい」
 お松は、黙って従った。
 
 苦しく悲しい年月が流れ、お松は十六歳になっていた。坊ちゃんは目が離せない三歳である。素早く歩けるようになってきたが、すぐにこける。怪我でもしたら、お松はどんな仕置きをされるか分からない。薄氷を踏むような毎日であった。

 深夜には、お松が寝ている布団部屋に、毎夜のように使用人の男が忍んでくる。それは、まるで順番を決めているように順序正しく、二人の男が鉢合せをすることがなかった。
 お松は、ただ黙って、男たちのなすがままになっていた。そんな時、弟弦太が自分に甘えてくるのを思い浮かべていたが、弦太を汚しているような気になるのでやめた。ただを待つばかりであった。

 そんなある日、お松は飯を炊いていて、急に吐き気品牌維護管理を覚えて厠に走り込んだ。年増の女中がそれを見て、悪阻(つわり)に違いないと女将に言い付けた。
   「男は誰や、言うてみい、まさか倅の安吉やなかろうな」
   「わかりません」
   「お前を胎ました男がわからないのか」
 無理もないことである。大旦那と、最近来た丁稚二人の他の男は、みんなその可能性があるのだ。女将も、その意味が分かったようである。
 年増の女中を呼び、こっそりと取り上げ婆のところへお松を連れて行くように言い付けた。
   「世間体が悪いので、くれぐれも内密にな」

   「前回、月の物が有ったのはいつ頃じゃ」
   「はい、先々月のおわり頃です」
 お松が蚊の鳴くような声で答えた。恥ずかしくて消え入りそうなのである。頑固そうな老婆は、お松の体を撫でまわした。挙句は、股を開かせて指を差し込んだりもした。お松は恥ずかしさを通り越して、気が遠退くようであった。  


Posted by だけを平らに削っ at 18:39Comments(0)
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